フラメンコの起源と歴史



フラメンコといえば、スペイン南部アンダルシア地方に生まれた民俗芸能とされますが、フラメンコという言葉そのものは、19世紀半ば過ぎまでは、まだ生まれていませんでした。

古くは中世11世紀頃、北インド地方から旧ロシア帝国方面で、ロマ(ジプシー、スペイン語ではヒターノ gitano)族が興り、彼らはその後四半世紀間にわたって中央ヨーロッパ全域で行き来し始めました。
15-16世紀頃、こうしてピレネー山脈を越え、ヨーロッパへ入ってきたロマ族の音楽が、フラメンコの原点といわれているようです。

ロマの音楽は拡大し、各方面に影響を及ぼしました。
ハンガリー人音楽家フランツ・リストなどは、ロマをハンガリー国民音楽の創造者と見ているほどです。

18世紀半ばから19世紀半ばにかけ、アンダルシア地方、セビージャ、ヘレス、グラナダやカディス周辺へのロマ族の定住が始まり、季節労働者として農園などで働いていた彼らは、夜やフィエスタ(祝祭)に音楽を奏で、歌い、踊るようになりました。
しかしそれはまだ大勢の観客に見せるためのものではなく、少人数の閉じられた表現のものでした。

19世紀半ば以降、カフェ・カンタンテと呼ばれるフラメンコを観ながら食事や酒を楽しむことのできる店がおおいに繁盛して、フラメンコの発展をうながしました。
フラメンコを職業とする人々が出てきたのも、この頃からです。

そしてフラメンコは現在も様々な音楽との融合や発展を続け、国境を越えて、世界中の人々を魅了し続ける芸術となったのです。


anif(日本フラメンコ協会) 『フラメンコってなぁに』
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 こちらにもっとわかりやすく、素敵に説明してあります♪