フラメンコの音楽
フラメンコといえば、まずはカンテ(歌)。
カンテこそがフラメンコの神髄といわれる。
ヒターノたちの魂は、カンテによって喚び醒まされ、大地へと降り注ぐ。
そしてカンテを支えるフラメンコギターのコンパス、踊り手たちのサパテアードが、フラメンコの世界を天地の間で繰り広げてゆく。
- カンテ(歌 Cante)
フラメンコといえば、まず重要なのはこのカンテ。喉の奥から振り絞るようなフラメンコ独特の発声法によって、人を魂の奥へと引きずり込む。歌う人のことはカンタオール(女性の歌い手はカンタオーラ)という。
最近のもっとも伝説的な革新的カンタオールは、若くして亡くなったカマロン・デ・ラ・イスラ。私は彼のCDを聴いて初めてフラメンコのおもしろさに魅了されたのである。
- トケ(ギター演奏 Toque)
フラメンコギターの演奏者をトカオールと呼ぶ。トカオールはクラシックギターとはまったく違った演奏方法を持つ。指先でギター表面をたたいてリズムを取る。思いつくままの即興・ファルセータを弾く等。 20世紀半ば以降になると、伴奏ばかりでなく、ソロとして演奏されることも多くなった。
- バイレ(踊り Baile)
フラメンコの踊り手をバイラオール(バイラオーラ)と呼ぶ。サパテアード(足を打つ)やブラセオ(腕の動き)によって曲を表現する。バイレにはガルボ(優雅さ)、グラシア(愛嬌)、ドゥエンデ(魅惑)が要求される。即興を行うため創造の力も多く必要とされる。
- パルマ(手拍子 Palmas)
音楽に合わせて打つ。本来は手のひらの意。フラメンコには様々なコンパス(リズム)があるので、慣れないとなかなかむずかしい。
- ハレオ(掛け声 Jaleo)
代表的なものは、オレ!(Ole!)、ビエン!(いいぞ! Bien!)など。
グアパ!(イイ女! Guapa! ) などもある。
これも慣れないとタイミングを外したり、踊りのじゃまをしかねなかったりするので、初めて舞台を観る場合は、とりあえず無理はしないほうがいいだろう。
パロ(曲スタイル)
フラメンコにはコンパス(リズム)や曲調によって多くの種類がある。ここでは代表的なものを挙げておく。
- ソレア(Solea)
soledad(孤独)が由来とされ、フラメンコの最も古い形といわれる。深みと威厳のある曲種。
- シギリージャ(Seguiriya)
変拍子風の複雑なリズムを持つ。簡素で厳格な曲調であり、カンテは嘆きを表現する奥深いものである。
- アレグリアス(Alegrias)
alegre(喜び)という語源通りの明るく陽気な曲種。ダイナミックで爽快なバイレが特徴。
- ブレリア(Buleria)
burla(あざけり)が語源といわれる。最もテンポが速い曲種であり、激しい曲調を持つ。宴の締めによく使われる。
- セビジャーナス(Sevillanas)
セビージャ発祥の舞踊曲が起源。4曲で1セットで、明快な曲調。ステップは易しく、バイレの入門曲に使われる。
- タンゴ(Tango)
カディス発祥、2拍子でノリのよい明るい曲種。アルゼンチン・タンゴとは別種。宴の締めによく演奏される。
- タンギージョ(Tanguillos)
小さなタンゴの意。タンゴよりも速く、ユーモラスで愛嬌あふれるバイレが特徴。
以上、ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典より抜粋。
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