2006年のSakura


ライブ前のレッスン場にて。
やっぱり赤が好きらしい。
これはスペイン製で、生地はイマイチなんだけど、この頃までに増えた私の手持ちのフラメンコ衣装は、だいたい基本は赤である。他の色ももーちょっと増やそうよ…と思っても、いつのまにか赤をオーダーしてる自分がいる。

2006年1月、地元で小さなライブハウスQUEENにてフラメンコライブ。
やや大げさな言い方だが、個人的にはこれが私の大きな転機になった。

カンテ&ギターは竹下茂さん。
彼が歌うアンダルシアという曲(いや、タイトルはよく知んないんだけど)がたぶん、私の魂に火を付けた…、ってかんじ。
といってもこれは私が踊った曲ではなくて、小形衣里先生が踊った曲。
レッスン場で初めて観たとき、自然に涙があふれてきてしまった。

うっわー、びっくり。
こういうのって、魂わしづかみにされたときに、ごくたまぁ〜に起こるんだけど(すごく昔に東京西洋美術館でモネの睡蓮を観た瞬間にも起こった)、なんだろうこれ?

と思いつつも、まぁ踊りのほうはあいかわらずで、今ひとつブレリアのコンパスがつかめない〜〜と悲しみの日々。
そのままライブの日を迎える。



コルドベス(帽子)を使ったタンギージョ。
ライブハウスの天井が低くて、帽子を上げると当たってしまった。


髪は結い上げているけれど、コルドベスがあるので、あんまり高い位置では結えない。まぁフラメンコでは下のほうに結う方が本格的らしいけれど。
この薔薇の髪飾りは実は編集担当氏からのプレゼント。


黒地に赤の水玉のファルダ。
やっぱり共布でシージョを作ってもらった。
これはとても軽いスペイン製の生地なので踊りやすい。

この夜踊ったのは、いつものルンバにブレリアにタンギージョ。
あいかわらずブレリアはミスッてしまったし、タンギージョもリハのときほどはうまく踊れなくて、歯痒い思いをしたりした。でも。

いつもなら、ライブの後は爽快感があって、打ち上げこそが楽しみ!とばかりに盛り上がる私だったけど、この日はちがった。
とにかく。
物足りない。
なんだかものすごく踊り足りない。
すごい焦燥感が沸き起こってきて、自分でもこれがどうしようもない。

次の日から、毎日カマロンのCDを聴くようになってしまった。
クラッシック音楽一本やりだった私が、これは大変な変化である。
フラメンコのコンパスなんて、ぜんぜん判らないし、一生馴染まないんじゃないのと思っていたのに、なんだか、音楽が聞こえてきちゃうのである。

そういえば、昔っから、なんでも音楽が先だった。
へたをすると小説さえ音楽が先、なときもあったくらいだ。
それにしても、まさかフラメンコ音楽が?
だって、とにかくこのライブの後の私は、自分でもめちゃくちゃヘンだった。
毎日カマロンのCDを聴いては泣き、どうしたらいいか判らなくて、先生にメールを書いたりして自分の気持ちを訴えようとする始末。

いったいなんだろう、これ?
いてもたってもいられない感じ。
ものすごく足りてない感じ。
…渇望?

結局、踊るしかなくなった。
実のところ、去年までは、なんだかどんどんレッスンの時間が増やされるし、もっとテキトーに趣味程度でとどめたいんだけどなぁと思っていた私が、自主レッスンまでやるようになっていたりして。

そうだ。
赤いフラメンコシューズを買ったのも、この頃を過ぎてからだった。

アマジャの赤いスエードのサパトス(フラメンコシューズ)。
なにしろサパトスは高い。
一足一足手作りだから仕方ないのかもしれないが、一足3万円以上もする。
そんな高価な靴を本気で新たに購入するなんて、去年だったら絶対考えつかなかったんだけど。


さて、そしてふたたび4月。
去年に引き続き、地元の桜祭りにも参加が決まる。


イベント好きなエリクラスの生徒たちもずいぶん増えた。


こういうお祭りでフラメンコの華やかな衣装を観ると、もしや女心が刺激されるのか、小形衣里クラスにはフラメンコを習いたい人が、現在もどんどん増えているのである。

そしてエリ先生は言う。
フラメンコをやってると、みんな美人になるのよ! ホントよ!

まぁ実際、私はフラメンコを始めてから、体はどうやら引き締まった。
これはホント。
ウェストがどんどん細くなるので、ファルダをぜんぶ直しに出したくらいだもん。
でも体重は変わんないのよ。筋肉は重たいからかなー。
(脂肪が減ってるはず!と言いたいらしい…)


やっぱり情熱の赤い薔薇が好き。
このイベントからはサパトスも赤。

でも、コンクリの上で踊ってるので、足がすさまじく痛かった…。
ふつーの木の床の上で踊りたいよう…。

(以下、つづきはblogにて)